農家紹介

Uターンして新規就農、チャレンジする心と仲間がいればやりきれるキュウリ農家・伊藤英治さん

新富町でキュウリの生産をしている伊藤英治さんは、2013年にUターンで地元に戻り未経験で就農。

農業をすることになった経緯やこれまでの苦労、農業の楽しみや今後の展望などを伺った。

大変そうだと感じていた農業に正面から向き合う

—農業には幼少期から関心があったのですか?

伊藤:正直、「農業=大変」という印象しか持っていなくて、自分が就農する事なんて考えたこともなかったです。

祖父がお米を生産していましたが、学生の頃から何かと理由をつけて手伝いを拒むほど。
県内の工業高校を卒業し、農業とは無縁の人生を歩むつもりでした。

—ではなぜ就農したのですか?

伊藤:祖父が亡くなった時、

「あの田んぼ、どうなるんだろう?」

と、何気なく気にしだしたのが、初めて農業に目を向けたきっかけです。

農業をしてもいいな、と考えるようになっていたタイミングで、知り合いの農家さんから「キュウリなら教えてあげるよ」と言われ、新富町に戻って就農することを決断しました。

想像を超えた農業の世界

—始めてみて農業の印象は変わりましたか?

伊藤:昔から大変な仕事だと思っていましたが、過酷さは想像以上。
肉体的にはもちろんですが、キュウリのことを毎日考えて行動するので精神的にも大変な時期が続きました。

しかし、最近では毎日ハウスに行きたくてウズウズするほど農業が大好きになってしまいましたね(笑)

—大変だと感じていた農業を5年以上続けられた農業の楽しみとは何ですか?

伊藤:苦労した分だけキュウリが応えてくれるということ。
もちろん自然相手なのでイレギュラーなことも起こりますが、少しでも手を抜くと露骨に結果として現れます。

日々変化するキュウリの状態を見る目が非常に重要で、今もその目を鍛えている最中です。

キュウリの様子を見て、今するべき最優先事項は何か?
何を準備すれば明日起こるであろう物事に対応できるのか?

そんなことを考え出すとキリがなくて、毎日時間が足りないくらい。

一見大変そうに聞こえるかもしれませんが、そのようなことを考えている時間が結果につながり、本当に楽しい時間なのです。

孤独であれば私の農業は消滅していた

—農業の楽しさを支えているものは何ですか?

伊藤:やはり地元の方々の存在ですね。

農業の経験がない方の中には、「農業=孤独」という印象を持たれる方もいるかもしれませんが、実は正反対なのです。
農業ほど1人ではできない仕事はないとも考えています。

2018年に宮崎を襲った台風24号で、私のハウスは冠水し、キュウリが全滅しました。
ハウスの様子を見た瞬間、呆然として、その場から一歩も動けなかったのを鮮明に覚えています。

そんな時に助けてくれたのが地元の農家さん。
農協への連絡や必要な資材の手配などをしてくれ、何とか今の状態まで復興することができました。

地域の方との関わりがなければ農業を続けることは不可能でした。
集会や飲み会が多くプライベートの時間を割きにくい面はありますが、それ以上に人との関わりが大切です。

地元の方々には本当に感謝しかありません。

新規就農者が安心できる受け皿づくり

—これから挑戦したいことはありますか?

伊藤:世界一甘いキュウリを作ってみたい。
知り合いの方からも、「ウチの子供はキュウリ嫌いだけど、伊藤さんのキュウリは食べてくれる」と声をかけてもらいます。

キュウリが苦手な人も食べられる甘いキュウリを作り、私のキュウリを確立したブランドにしていけると好きな農業がもっと面白くなると思います。

また、新婚ということもあって、家族の時間が取れるような「働き方改革」をしていきたいとも考えています。
将来出会うであろう子どもの参観日や運動会、クラブ活動などには積極的に参加したい。
「どうせお父さんは忙しいから来れない」という想いはしてほしくないなと。

そのためにも、キュウリを見る目を養いたい。
事前にトラブルを回避することで、そこに充てるはずだった時間を有効に使えますし、品質も保つことができます。

「農業はそんなに大変なものでもないですよ」と、新規就農者に伝えられるような仕組みを作りをしていきたいです。

—具体的にはどんな仕組みですか?

伊藤:私たち若手就農者が役場とチームを作ることで、新規就農者をサポートする体制を作っています。

農業をする上で重要になってくる土地探しや、資金・資材の調達、先輩の農家さんや地元の方々とのコネクション。
経験者だから分かる不安や苦労を共に解決していくことで、未経験でも安心してもらえるような組織づくりをしています。

いきなり就農することに不安のある方は、私たちの現場を見ていただき、実際に体験してからでも大丈夫。
1人でも多くの方に農業へ関心を持ってもらえるように、私たちも精一杯がんばります。

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新規就農者を求めるだけでなく、行政の協力を得ながらしっかりとした受け皿も用意している伊藤さん。

農業に触れる機会を増やすことで、もともと農業に関心のなかった方が目を向けてくれるかもしれない。
農業で発展してきた新富町は、農業でさらに面白くなる。

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